本の基本情報
タイトル:満願
著者:米澤 穂信(よねざわ ほのぶ)
出版社:新潮社
刊行年:2014年(単行本)/2017年(新潮文庫)
ジャンル:ミステリー短編集
収録作品:全6編
- 夜警
- 死人宿
- 柘榴
- 万灯
- 関守
- 満願
受賞歴:山本周五郎賞受賞(2014年)
評価:週刊文春ミステリーベスト10 1位、このミステリーがすごい!国内編 1位 など
あらすじ
この小説は全6編の短編からなるそれぞれ独自の物語である。
勇敢な職務遂行で亡くなった新人警察官の秘密を巡る「夜警」
恋人との復縁を望む主人公が訪れる「死人宿」
美しき中学生姉妹による官能と戦慄の「柘榴」
ビジネスマンが最悪の状況に直面する生き詰まる傑作「万灯」
ライターである主人公が転落事故の謎を解き明かす「関守」
「もういいんです。」と控訴を取り下げた女の真の動機を巡る「満願」
読む前に
最後の短編「満願」で出てくる和室の描写の前知識で、
違い棚などの単語がでてくるので、読む前に調べておくのを推奨します。
他にも、私の教養の無さが原因ではあるのですが、
テラス窓や縁側なども単語として知らなかったので、随時少し調べながら読みました。
おすすめな人
短編ミステリーで話の展開が綺麗で読みやすいので、
ミステリー初心者や米澤穂信を味わいたい方に特におすすめです。
感想
この小説は短編で売っていますが、
それぞれの短編を長編で味わいたいくらい面白かったです。
各短編集で登場人物とその心理描写、謎めいた言動、伏線が良く各タイトルにマッチしていて、
緊張感とわくわくが同居して、最後まで手が止まりませんでした!
その中でも「万灯」が一番面白かったです。
この話が短編の中でも一番長く100ページ近くあり、
状況設定も特殊で、最初少し難しく感じていました。
しかし、この題名と主人公の決断の速さの因果が終盤の展開に押収してきて、気づいたときには引き込まれてしまいました。
また、「柘榴」を読んだ人ならわかると思いますが、
米澤穂信「儚い羊たちの祝宴」に近しい雰囲気があり、この本が好きなら読んでほしいです。
話は変わり、この本は結構読者に任せてるような終わり方をしています。
実際、Googleで満願を調べてみると、「満願 ○○ ネタバレ」というサジェストがでてくるくらい、先が気になる終わり方をしています。
ドラマ版「満願」
読んだ後に気づいたのですが、
NHK 特集ドラマで「万灯」・「夜警」・「満願」の3編がドラマ化していました。
主な出演者として、西島秀俊・安田顕・高良健吾となっています。

まとめ
この本を買うか迷っている方は、絶対に損をしない必読の1冊となっていますので、気になる短編だけでも読んでみてはいかがでしょうか。


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