本の基本情報
タイトル: しあわせの書 ― 迷探偵ヨギガンジーの心霊術
著者: 泡坂 妻夫(あわさか つまお)
出版社: 新潮社
刊行年: 1987年
ジャンル:ミステリー小説
おすすめな人
この本は紙の本を使ったトリックとして有名で、「世界でいちばん透きとおった物語」などが好きな方におすすめです。
ストーリーについては、ちゃんとミステリーとして話が展開されていて、一気読みしやすいと思います。
ただ、個人的に最初のほうは新興宗教の独特な世界観が強く、神秘と不気味さを感じながら読んでいました。(これについては、ガンジー先生が登場してからは問題なく読めたので、頑張ってここまで読んでほしいです。)
ヨギガンジーシリーズについて
順に、
・ヨギ ガンジーの妖術
・しあわせの書―迷探偵ヨギガンジーの心霊術
・生者と死者―酩探偵ヨギガンジーの透視術
の三作品が出版されています。
今回のしあわせの書は2作品目となっていますが、違和感は特になかったです。
感想
知らない宗教的専門用語が知的好奇心をくすぐる
いきなりですが、このタイトルを見たとき、「ヨギ」という言葉について疑問を持たれると思います。
このヨギというのは、ヨガ(ヨーガ)をする男性という意味です。ちなみに、ヨガとはwikipediaによると、「古代インド発祥の伝統的な宗教的行法であり、瞑想を主とする。現代においては身体的エクササイズも含まれる。」とあります。
このように、ヨガ、イタコなど造語含めて宗教寄りの用語が出現して、ミステリーの小休憩として気分転換になりました。
実際、これらの単語を知っている方もいると思いますが、英単語を例文で覚えるように具体的にミステリーの中で使われていて、なんだか面白かったです。
セリフが個性的
ガンジー先生の話し方が時代劇さながらのセリフをしていて、だれが話しているかのシンボルになっています。
最初はただ変人を見る目でこのセリフを眺めていましたが、読むにつれて癖になっていきます。とはいえ、好みが分かれるとは思います。
ミステリー解決からトリックの種明かし
この本のメインであるミステリー解決からトリックの種明かしは秀逸でした。
ミステリーのクオリティが一定以上あり、トリックへの伏線をまくことによって、この紙の本のトリックの味わいも変わってきます。
やはり、全員がこの感動を体験するために、帯に「未読の人には、絶対に本書のトリックを明かさないで下さい。」と念押しするのも納得がいく作品でした。
まとめ
毎度のことながら、この発想から行動まで移す著者や関係者の方々に唖然としてしまいます。世の中の常識を打ち壊すという言葉が月並み化したこの社会で、言葉の真意を密接に感じ、個人的に勇気をもらっています。
こういった作品を読んだことがない方にこそ、制作側の凄さ、内容、トリック含め手に取っていただきたいです。


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