サイコパス×叙述トリックの傑作我孫子武丸『殺戮にいたる病』を読む【ネタバレなし】

殺戮にいたる病

本の基本情報(タイトル・著者・ジャンル)


タイトル:殺戮にいたる病(さつりくにいたるやまい)

著者:我孫子 武丸(あびこ たけまる)

出版社:講談社

刊行年:2017

ジャンル:ミステリー小説

『かまいたちの夜』の作者


「我孫子武丸」という名前に聞き覚えがある人がいると思います。

この方はあの「かまいたちの夜」を作った人物なのです!



知らない方に簡単に説明すると 、

「かまいたちの夜」は、2024年11月25日に30周年を迎えたサウンドノベルです。

スーパーファミコンをはじめとして、Nintendo Switch、PlayStation®4など現在まで

様々なハードで発売されています。

おすすめ人


叙述トリックの傑作を読みたい人やサイコパスが好きな人には、とてもおすすめできる本となっています。



ただ、大事な注意点で官能・グロい表現が苦手な人は気を付けてください。


ただ人が刺されてその表現が描写されるというのではなく、

もっと生々しくグロさが表現されています。


感想

叙述トリックが難しくて、面白い!


作品によっては、どんでん返しされるとすぐ気づいたり、なんとなく勘づいたりすることでしょう。

この本の場合、解説を読んでやっと理解できました。


確かに、言われてみればおかしいと思える文がありましたが、普通に読んでも自然な解釈しかできず、

トリックを推理できないはずです。

サイコパスの行動や思考がたまらない


やはり、サイコパスは良いものですね?


私のように日常の中で非日常的考えをもつキャラクターが好きな方は

今回のサイコパスな登場人物である蒲生 稔が好きになるでしょう。


私もそこまでグロシーンが得意な訳ではないのですが、


このキャラクターの発想の起点が常軌を逸していてかなり興味深いキャラでした。


「神統記」の引用文がおしゃれ


各章の下(エピグラフ)には、毎回ヘシオドスの「神統記」が書かれています。


堅く、訳された文章なので意味を見出すには少し時間がかかりました。


この文章が実際には何に注目させたかったのか、私には類推することしかできません。


しかし、サイコパスな主人公の愛に対する一喜一憂の感情と共に、シェイクスピアの戯曲のような雰囲


気を作っているようで凄みがあります。

まとめ


恐らく、知人に勧められない本でもトップクラスに来る「殺戮にいたる病」ですが、

叙述トリック含め、日本の社会的問題や連続殺人鬼の心理などあらゆる角度から


傑作な一冊となっています。ぜひ読んでみてください!

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